【入門】優待クロス完全ガイド|制度信用と一般信用のコスト比較と12.2%利益の理屈
はじめに──この記事でわかること
優待クロス(現物買い+信用売り)の基礎から、制度信用と一般信用のコスト比較、銘柄選定のコツ、さらに配当の12.2%を手にする仕組みまで、初心者でも理解できるように解説します。
- 制度信用と一般信用のリスク&コスト構造
- 逆日歩・貸株料・配当調整金が利回りに与える影響
- 筆者流・銘柄の見極め方とクロス基準
- インデックス投資とのポートフォリオ活用例
- 配当落調整金+税金還付で得られる12.2%利益の理屈
1. 制度信用クロスのコストとリスク
1.1 逆日歩(ぎゃくひぶ)
需給が合わないとき、売建て側が追加で支払うペナルティ金利。上限は品貸料率×最長3日分。
1.2 貸株料
株を借りる際の日割りレンタル料。制度信用は年率約2.8%程度。
1.3 配当調整金(配当相当額)
信用売りで配当権利を放棄する代わりに支払う金額。制度信用では配当金×84.685%を支払います。
2. 一般信用との比較
区分 | 逆日歩リスク | 貸株料 (年率) |
在庫状況 | 推奨シーン |
---|---|---|---|---|
制度信用 | あり (上限なし) |
2.8% | ほぼ無制限 | 逆日歩が付きにくい銘柄の短期クロス |
一般信用 | なし | 3.9% | 早い者勝ち | 逆日歩リスクを避けたい人気銘柄の長期保有 |
制度信用は貸株料が低く在庫も豊富ですが、逆日歩リスクがあります。
一般信用は逆日歩が発生せず安心ですが、貸株料が高く在庫争奪が激しい点に注意が必要です。
3. 銘柄の見極め方とクロス基準(筆者流)
- 過去10年の逆日歩を調査
96ut.comのデータベースで「最高逆日歩」を確認。 - ワーストケース利回り試算
(配当金+優待価値) − (貸株料+最高逆日歩) が0.3%以上ならエントリー。 - 年換算イメージ
月0.3%ペース=年3.6%。1.0%超の回もあり。 - 割り切りルール
最高逆日歩を受けたら「運が悪い」で次へ。長期で収束を狙う。
4. ポートフォリオへの組み込み例
筆者(20代前半)の資産配分例:
- オールカントリー(長期インデックス):80%
- 現金(優待クロス用保証金):20%
この現金20%を使い、クロス利益で年4.0%前後を狙います。インデックス下落時は現金→株へリバランス。
5. 配当・配当調整金の取り扱いと税金還付
制度信用クロスの最終利益率12.2%を「100%ベース」で計算すると以下の通りです。
- 配当受取時:100% − 源泉徴収20.315% = 79.685%
- 調整金支払い:配当金×84.685% = 84.685%
- 即時差額:79.685% − 84.685% = −5.000%
- 年末還付:源泉徴収20.315%が全額返金
- 還付後税前利益:−5.000% + 20.315% = 15.315%
- 還付金再課税:15.315% × (1 − 0.20315) = 12.203%
→ 制度信用クロスでは、配当金の12.2%が最終的に手元に残る仕組みです。
6. まとめと次のステップ
- 制度信用クロスは逆日歩管理が鍵。計算すればコストは意外と小さい。
- 配当部分では最終利益率12.2%を目指せる。
- リスクゼロ重視なら一般信用も併用、銘柄ごとに使い分けを。
- インデックス投資+優待クロスの組み合わせで、ローリスクかつ高リターンを狙おう。
この記事を参考に、ご自身の口座設定やリスク許容度で最適な優待クロス戦略を組み立ててください!